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2025.01.20

【建築家コラム】UENOA_「まだ世の中にない『あったらいいな』木質建築の意匠と構造

【木造の豪華さについて】

木造は豪華である。

最近、建築の設計を通じてそう感じるようになってきた。

私たちは建築を考えるときに頭上の余白に注目し、建築の平面形式と呼応し空間性を高めるような天井の木架構を追求したいと考えている。

それは架構が作り出す反復性の新しい到達点があるのではないかと考えているからだ。

最近は建物を利用する方々から反復が作り出す木架構の姿に対して「美しい」という声を聞くことが多くなった。

私たちとしては数学的な構造美を求めている訳ではないので予想外の反応であったが建築家としての追い求めるものと利用者が求めるものとの方向性が近くなったことを改めて大切にしたいと感じている。

 

この反復性について木は生物材料であるがゆえに内包する「ゆらぎ」がその反復に共感を呼んだのではないかと感じている。

コンクリートや鉄骨が反復していてもこの共感性は少し違った感覚になってしまうのではないかと感じている。

それはたんぽぽの花びらが並ぶ姿に美しさを感じる心の構造と似ているのかもしれない。

木は生命的な共感をもたらす力を持った材料だと再認識している。

 

木を使った新しい技術であるCLTにも注目している。

CLT建築がヨーロッパで建ち始め黒船のように日本へ入ってきてから20年近くが経つ。

続々とCLT建築が建ち上がるヨーロッパに比べ日本での実現が遅れてきたことには日本的な感覚が背景にある。

 

西洋ではCLTの軽さやCO2排出量を理由にCLTを採用し、施工性や法規のために躯体と仕上げを分け、CLTの上に石膏ボードや外装材を貼る。

一方、木に深い愛着を持つ日本になると、木をあらわしにして金物は見えないようにしたいと思考が進み、建物の実現には時間がかかってしまう。

このことをCLT関係者は嘆くが、新しい技術を独自に発展させようとする姿は歴史的に見てもいかにも日本らしい状況で素晴らしいことではないかと感じている。

昨今ヨーロッパでは日本の影響を受けてCLTをあらわしで用いる建築が現れてきたと聞く。

各地域の風土や文化、技術を取り入れてCLTも世界で発展をし始めている。

 

そのような時代の中で私たちもCLTを意識して使用するようになった。

CLTは木を使っているという単純なノスタルジーにとらわれることなく、空間性を追求することができる素材なのではないかと考え始めたからだ。

量塊としての存在感が持つプリミティブな部分や、新しい技術によって作られているが木の利点も欠点も残している素直さにも魅力を感じている。

 

日本では木造建築が長い歴史を経て技術を発展させ伝統文化となり、人と精神的な深い結びつきを持つまでになった。

そのような社会で木造の伝統文化とCLTを自分たちなりに結びつけ新しい到達点を見つけたいと思っている。

 

近い未来にAIが生活に入り込み、専門性が一般に開放され人間の叡智にすぐリンクできる便利で自由な時代が来る。

素晴らしい未来であることは間違いないのだが、常に更新され続ける社会に人間として「情緒」を感じることができるのかが想像しにくい。

文化に結びついた新しい木造建築によって人が他者(人や自然)とゆったりと時間を共有でき、「情緒を育む建築」が作れるのではないかと考えている。

 

木の文化とともに育んできた日本的な情緒を次世代へ繋ぎ、懐かしい未来を感じられる建築があったら良いと考えている。

そのような豪華な建築を設計したいと思っている。

 

人間としての大切な機能を失わないための行為である。

 

UENOA architects / 長谷川欣則 + 堀越ふみ江

空間を柔らかく包み込む架構

CLTと流通材が作り出す反復美

構造と意匠の両義性をCLTのデザイン

架構形状と余白

ワークショップで育てた在来種の木々が成長してきた様子

©️Hiroyuki Hirai

【経歴】

長谷川 欣則 / Yoshinori Hasegawa 

埼玉県小川町生まれ

2004 明治大学工学部建築学科卒業


2006 明治大学大学院理工学研究科建築学専攻修士課程修了(田路貴浩研究室)

2006 西沢立衛建築設計事務所


2008 岡田公彦建築設計事務所

2013 UENOA architects 共同主宰


2018 東京藝術大学 助手

2020 東京藝術大学 特任講師

2021 関東学院大学 非常勤講師/明治大学 兼任講師

 

堀越 ふみ江 / Fumie Horikoshi 

栃木県生まれ


2003 法政大学工学部建築学科卒業(富永譲研究室)


2003 KTA一級建築士事務所


2008 日本設計


2013 UENOA architects 共同主宰


2016 東京大学大学院農学生命科学研究科修了(稲山正弘研究室) 

2020 工学院大学非常勤講師 / 足利大学非常勤講師


2021 関東学院大学非常勤講師

【受賞歴】

2019 第22回 木材活用コンクール / 木材活用賞
2019 第47回日本建築士会連合会賞 / 奨励賞
2019 JIA日本建築家協会優秀建築選2019 / 優秀建築選
2019 第29回日本建築美術工芸協会賞(AACA賞) / 優秀賞
2019 JAPAN WOOD DESIGN AWARD 2019 / 入選
2020 Dezeen Awards 2020 / Longlists
2020 Design for Asia Awards 2020 / 環境デザイン部門金賞 スペシャルメンション大賞 

2021 寄居駅南口駅前拠点施設設計業務公募型プロポーザル / 二等 

2022 日本建築学会作品選集新人賞 

2024 第44回日本建築学会東北建築賞 / 大賞

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